ニューヨーク、稼働していないビットコインアドレスを「放棄財産」として認定することを目指す

ニューヨーク州の最高裁(Supreme Court)の案件として、39,069の稼働していない(dormant)ビットコイン・アドレスを州法上の「lost/abandoned property(失われた/放棄された財産)」として扱うよう裁判所に求める訴訟が提起されています。仮名の原告「Noah Doe」は2026年3月にdeclaratory-judgmentの訴訟を提起し、5月に修正。主張者(claimants)が秘密鍵を保持していないにもかかわらず、所有権について紙面での判断を求めています。 これらの休眠アドレスには約3.8百万BTCがあるとされ、現行価格ではおよそ2350億〜2930億ドル相当と見込まれます。リストには、広く議論されているサトシ関連の保有(約109.6万BTC)に紐づく「Patoshi-pattern」アドレスが約21,923件含まれ、さらに2011年のMt. Gox事件に関連するアドレス(79,957BTC)も含まれています。Galaxy Digitalは以前、2025年の「dusting」キャンペーンとの重なりがある可能性を推定していました。 重要な進展として、2026年6月2日に、休眠とされていたアドレスの1つから約35.55BTCが送金されました。これにより「放棄されている」という前提が揺らいでいます。手続きは2026年6月5日時点で停止され、amicus briefに関するヒアリングは2026年7月14日に予定されています。 トレーダーにとっては、たとえ勝ってもBTCがすぐに解放されるわけではありません。しかし裁判所の判断が「cloud on title(権利の曇り/権原の不確実性)」を生み、取引所やカストディアンが規制対象の会場への入金や送金をフラグ付けしたり制限したりする必要が出てくる可能性があります。これにより、直ちにスポット価格が動くよりも、流動性や取引執行に影響が出る恐れがあります。
Neutral
この申立ては大量の休眠中のビットコイン・アドレス群を対象としているものの、原告側には秘密鍵がないため、いかなる判断でも直ちにBTCの移動を可能にする可能性は低いです。これにより、BTC価格への直接的な上昇/下落圧力は限定的になります。 ただし、この訴訟は取引オペレーションにはなお影響し得ます。裁判所の判断によって所有権(タイトル)に法的な不確実性が生じ、特にその後にフラグが付けられたコインが規制された取引先に移される場合、取引所やカストディにとってコンプライアンスの負担(摩擦)が増える可能性があります。さらに、6月2日の約35.55BTCの移転により「放棄(abandoned)」という物語の筋がより崩れ、原告に有利な結果の確実性が下がることもあります。総じて、短期的には不確実性と潜在的な業務上の摩擦はあるものの、BTCに対する明確な直近の市場方向シグナルはありません。